3月24日の人気バラエティー番組「プレバト」で、同番組内の企画「俳句の才能査定ランキング」で出た一部の俳句が、2021年度の中学国語の教科書に掲載されることが発表されました。
バラエティー番組で芸能人から出た俳句が正規の教材として用いられることは、去年の前例に続き今回で2回目の事例になります。一昔前ではとても考えられないことでした。
どんな俳句が起用されるのか気になるところですが、25日の放送で明らかになるそうです。
さて、過去にはどの様な俳句が教科書などに掲載されたのでしょうか。
今回は振り返りも兼ねて、今まで掲載された俳句がどんなものだったかについてまとめてみました。
(尚、3/25の放送で発表された新しく教科書への掲載が決定した俳句については、3つ目の項目に追加しました。)
過去に教科書への掲載が決まった俳句について
今回、2021年版の中学国語の教科書の副教材(明治図書出版)にプレバトの俳句の掲載が決定しました。
俳句の掲載が決定した今回のタレントは、梅沢富美男さん、皆藤愛子さん、横尾渉さん(Kis-My-Ft2)の3人だそうです。いったいどんな俳句が掲載されるのか楽しみな所です。
実は、去年にもプレバトから教科書に掲載が決まった俳句があります。ここでは、過去に教科書に掲載が決定した俳句についてまとめてみました。
過去に掲載が決まった俳句はどのようなものか?
引用:TV LIFE web
去年、2021年度版の中学3年生の国語の教科書「現代の国語3」(三省堂)に藤本敏史さん(FUJIWARA)と村上健志さん(フルーツポンチ)の俳句の掲載が決定しました。
これが、国語の教科書に芸能人の俳句の掲載が決まった初の例です。それでは、いったいどのような俳句が起用されたのか見てみましょう。
・藤本敏史さんの俳句
「ぬうぬうと 秋かき混ぜる 観覧車」
また、藤本敏史さんによるこの句の解説は次の通りでした。
まず、この句は「観覧車がゆっくり秋という季節をかき混ぜている様子」を表現したかったそうです。「ぬうぬう」という表現は、観覧車がゆっくりゆっくり回っている様子を表現したものだそうです。
評価の夏井先生曰く、「ぬうぬう」という表現がオリジナリティがあり、また、「かき混ぜる」という表現がゆったりしたリズムを作り出した良いとのこと。
確かに、藤本敏史さんのこの句の表現方法は素人目で見てもイメージし易くて良いですね。
・村上健志さんの俳句
「林道の 朽ちし廃バス 額の花」
この句における、村上健志さんの解説は次の通りです。
まず、林道に錆つき朽ちている廃バスが放置されており、そこには散らずに朽ちて錆色になっているガクアジサイがあるイメージだそうです。そして、そのアジサイの悲しげだけど美しい様子を読みたかったとのこと。
これに対する夏井先生の評価は、林道と額の花の言葉の取り合わせは素晴らしいとのこと。
この句もまた、田舎の廃バスがありそうな風景を見た事のある人なら、誰しも何となくイメージできそうな句で良いですね。
芸能人の俳句が教科書に掲載された理由
この「プレバト」の俳句の掲載が決定するまで、芸能人の俳句が教材に起用されることはありませんでした。ですから、藤本敏史さんと村上健志さんの俳句の掲載が決定した時は、当時としては前代未聞の出来事だったしょう。
それでは、当時の三省堂の人は何故、芸能人の俳句を教科書に掲載しようと考えたのでしょうか。その理由は、三省堂の関係者が過去にコメントしていました。
出版元の三省堂は「『プレバト!!』という人気番組で活躍されている夏井先生に、教科書でもこのように楽しく俳句の魅力を子供たちに伝えてほしいと思い『俳句の世界』という教材のご執筆を依頼しました。また、夏井先生の辛口な添削が大きな特徴となっている『プレバト!!』の魅力を教科書紙面上に再現したいと考え、『夏井いつきの赤ペン俳句教室』のコーナーを設けました。夏井先生から、“助詞の選択”“具体的な表現”“動詞の選択”“言葉の重複”“曖昧な表現”“より高度な表現の工夫”という6つの観点で添削の候補をいただき、そのうちの“動詞の選択”と“言葉の重複”が、俳句にあまりなじみのない中学生にもピンとくる『俳句のコツ』だと思い、教材化しました」と掲載の決め手について説明している。
引用:TV LIFE web
つまり、プレバトの俳句が教科書に起用された理由としては、俳句の面白さや魅力を人気のバラエティ番組の様な視点を交えて、現代の子供たちに広めたいという三省堂の人達の考えがあったようです。
「プレバト」は現在の人気バラエティ番組の1つであり、中でも俳句コーナーは面白いし人気です。確かに、俳句を面白いものとして表現しているバラエティの要素を取り入れて、俳句の魅力を表現することは斬新で面白い試みかも知れませんね。
このバラエティでの俳句に対する表現を、教科書の紙面上ではどの様に再現されているのか気になるところです。このまま俳句の魅力が多くの子供たちに伝わると良いですね。
教科書以外でも、プレバトの俳句が起用されている!
引用:auone.jp
プレバトの俳句が教科書に掲載される例は去年に続き今回が2回目になりますが、実はプレバトで誕生した俳句が書籍に掲載される例は過去にもう1つあります。
それは、的場浩司さん、光浦靖子さん、村上健志さんの俳句が、ナツメ社が出版している歳時記『ハンディ版オールカラー よくわかる俳句歳時記』に掲載されたというものです。これも2020年での出来事です。
村上健之さんはこれで、前述の教科書に起用された例を含めて2回も自身の俳句が掲載されたことになります。2回も書籍に掲載さるとは凄い才能だと思います。
それでは、今度はいったいどのような俳句が歳時記の掲載に選出されたのでしょうか。次で見ていきましょう。
プレバトから歳時記に掲載された俳句は?
それではいよいよ、歳時記に掲載された俳句を見ていきましょう。
・村上健志さんの俳句
双六の コマにポン酢の 蓋のあり
ちなみに、「双六」とは「すごろく」と読みます。日常での何気ないワンシーンを描いたのでしょうか、とてもイメージし易い俳句ですね。
・的場浩司さんの俳句
職質を するもされるも 着膨れて
これの季語は「着膨れ」でしょうか。冬の街中でのワンシーンが想像できて、冬の様子を上手く描いた句ですね。
・光浦靖子さんの俳句
無花果や 苛めたきほど 手に懐き
「無花果」は「いちじく」、「苛めたき」は「いじめたき」と読みます。季語は「無花果」でしょうか、どうやら晩秋(秋の終わり)についての俳句のようです。無花果の実が手に想像以上によくフィットしている様子を書いたのでしょうか。
以上の3つが歳時記に掲載が決定した俳句です。どれもオシャレな俳句でしたね。このオシャレながらに納得できる感じが、歳時記に掲載される所以なのでしょうか。俳句とは奥が深いものです。
新しく教科書への掲載が決まった3つの俳句
ここでは、新たに中学国語の教材への掲載が決まった3つの俳句についてまとめました。
今回掲載が決まった人は、梅沢富美男さん、皆藤愛子さん、横尾渉さん(Kis-My-Ft2)の3人です。それでは、さっそく俳句の方を見ていきましょう。
・梅沢富美男さんの俳句
銀盤の 弧の凍りゆく 明けの星
銀盤とはスケートリンクのことだそうです。また、今回の季語は「凍る」で、冬を表現しているそうです。夜明けの星を写したまま、スケートの弧が形を残した状態で凍っていくスケートリンクの様子を表現したのでしょうか。きれいな句ですね。
・皆藤愛子さんの俳句
右肩に 枯野の冷気 7号車
季語は「枯野」で冬だそうです。列車の窓側席にて、肩に荒野からの冷気がかかる様子を表現したのでしょうか。荒野の荒涼とした雰囲気も想像できる、素晴らしい句ですね。
・横尾渉さんの俳句
休暇明け アルトのビブラート 太し
季語は「休暇中」で秋だそうです。休暇後のコーラス部の様子を表現したのでしょうか。「太し」という表現から、練習の成果なのか、休暇中に起こった変化の様子が想像できますね。イメージし易い素晴らしい句だと思います。
以上の3つが、今回中学国語の教材への掲載が決まった句だそうです。どれも情景が浮かびやすい素晴らしい句ですね。やはり俳句はおしゃれな文化だと思いました。
これをキッカケに、現在の中学生に俳句の魅力が伝わると良いですね。
まとめ
今回は、「プレバト」で誕生した俳句が新しく中学国語の教材に掲載されるということで、過去に書籍に掲載されたプレバトの俳句を見てきました。どれも良く考えられており、イメージもし易く読んでいて面白かったと思います。
俳句や詩、謎かけなどの日本の言葉遊びの文化は、どれも頭を使う面白さを兼ね備えていながら完成した物は雰囲気を纏っていて趣があり、とても素晴らしい文化だと思います。このまま俳句の魅力が若い世代に伝われば良いですね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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