反発係数の3つの種類~これで反発係数をマスターしよう!~

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それでは、今回は「反発係数eの3つの種類」について紹介していきます。

尚、反発係数の定義や具体的な説明は、前回の記事『「運動量と力積の関係」について、図を用いてわかり易く解説!』でしています。反発係数がよくわからないという人は、この前回の記事から読んでみてください!

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反発係数eの3つの種類

反発係数の値は一般的に3種類に分類することができます。最後にその3種類の反発係数について紹介していきます。

(完全)弾性衝突

完全)弾性衝突とは「e=1」となる衝突です。つまり、例として速さ50m/sで衝突するとしたら、衝突前と同じ速さの50m/sで跳ね返ります。

また、この時は衝突の前後で速度が変わらないので力学的エネルギー保存則がなりたちます。熱の発生もありません。

(※熱の発生がないとはどういうことかというと、釘をトンカチで何回かたたいたら釘の頭が温かくなるように、物体は衝突したら多少でも熱をおびます。これは、失った分の運動エネルギーが熱に変換されるからです。しかし、e=1の時はそれがありません)

非弾性衝突

非弾性衝突とは「0<e<1」となる衝突です。例えば、速度80m/sでぶつかると速度50m/sで跳ね返ります。上で紹介した2つの例もこの衝突に該当します。

この場合は、速度が変化することで運動エネルギーが変化するので、力学的エネルギー保存則が成立しません。失われた分のエネルギーな熱になったりします。

完全非弾性衝突

完全非弾性衝突とは「e=0」となる衝突です。これは、どんな速度で衝突しても跳ね返らずに静止してしまう状態です。この時、運動エネルギーは完全に失われるので、力学的エネルギーは保存しません。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「運動量と力積」について3回にわたって紹介してきました。

これらの話は、衝突・分裂・合体のようなやりとりがある物体の集まりに成り立つ考え方でした。したがって、衝突の問題などを解く時は、「運動量保存則」や「運動量と力積の関係」、「反発係数」を用いるといいでしょう。

以下に、今回の単元の内容についてまとめていきます。

・運動量とは「物体の運動の勢い」を表す量で、定義は質量と速度の積である「mv」

・力積とは「物体の運動量をどれだけ変化させたか」を表す量で、定義は物体にかかる力とその時間の積である「F×Δt」

・運動量保存則とは「衝突・分裂・合体のように、考えている物体系(物体の集まり)において内力のみが働く(=外力が働かない)方向について運動量の和は変化せず一定である」というものである。

⇒ 式は「mAvA0 + mBvB0 = mAvA + mBvB

・運動量と力積の関係は「mv0 + (−)FΔt = mv」となる。

・反発係数eは「2つの物体の衝突における、衝突前の相対速度と衝突後の相対速度の比」である。

⇒ 定義の式は、「e=-(VB-vA)/( VB0-vA0)」

・反発係数の3つの種類は、「完全弾性衝突(e=1)」「非弾性衝突(0<e<1)」「完全非弾性衝突(e=0)」である。

以上です。知識を確実に取得する為にはこのページの内容を説明できるまで、問題を解いたりまたこのページを読んだりして反復しましょう。それでは、おつかれさまでした!

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【おまけ:運動エネルギーが熱に変換されるとは】

物は何故熱を発するのか。それは、物質は基本的に細かい原子(分子)の組み合わせで構成されていますが、その原子(分子)が微振動をするからです。つまり、原子(分子)の微振動こそが熱の正体になります。したがって、この振動を「熱振動」と呼んだりしています。そして、何故運動エネルギーなどが熱に変換されるかというと、その物体の運動が原因で物体を構成する原子(分子)が振動するからです。例えば、2つの物体が衝突する場合を考えてみましょう。2つの物体が衝突すると、かなり細かい視点で見ると、衝突した部分は振動します。すなわち、衝突した部分を構成する原子(分子)は振動する事になります。したがって、衝突した部分はわずかでも熱を発生します(触っても気づかない程度でも)。つまり、この時の衝突していった物体は、別の物体に衝突して運動エネルギーをいくらか失う代わりに熱を発したということになります。これが、「運動エネルギーが熱に変換された」ということになります。

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