現在、欧州各国でアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの接種を一時的に中止する動きが相次いでいます。
この理由としては、接種後に血栓ができる複数の例が報告されたためであり、死亡した例も出てきているそうです。
一方で、日本ではこのアストラゼネカ製のワクチンを欧州から輸入する動きがあります。すでに、欧州連合と日本の間で円滑な輸入を行う準備が行われているとのこと。
果たして、このまま日本にアストラゼネカ製のコロナワクチンを輸入するのでしょうか。また、もしこのコロナワクチンの使用を見送った場合、日本のコロナワクチンの入手はどうなるのでしょうか。
そこで、今回は気になる日本のコロナワクチン事情についてまとめてみました。
アストラゼネカ製のコロナワクチンで何が起きた?
欧州において、アストラゼネカ製のコロナワクチンで一体何が起こったのでしょうか。
ロイター通信では、オーストリアでこのコロナワクチンを接種した1人が多発性血栓症で死亡し、7日に同じ製造番号のワクチンの使用が停止されたことが発表されました。
バルト3国なども同じ措置をとり、11日には予防措置などをしたそうです。また、デンマークなどの北欧の3か国でも死亡例が確認されており、アストラゼネカ製のコロナワクチンの接種を一時中断したそうです。
他にも、イタリアやルーマニアも、一部の製造番号のアストラゼネカ製のコロナワクチンの使用停止を決めました。
ここまで様々な国が一時的な使用停止を行うと、近々日本にも導入されるアストラゼネカ製のコロナワクチンも心配になってきます。
日本行きのアストラゼネカ製ワクチンはどうなっている?
まずは、日本に提供が決定したアストラゼネカ製のワクチンが現在どうなっているかについてです。
アストラゼネカと日本政府は、約1億2000万回分(6000万人分)のワクチンを供給する契約を締結しています。まずは3月までに3000万回分を輸入し、その後に9000万回分を国内で製造して供給する予定だそうです。
ちなみに、日本で製造する分はどうするかというと、まずワクチンの原液を空輸し、兵庫県芦屋市に本社がある製薬メーカー「JCRファーマー」の神戸市内の工場で製造するそうです。
3月11日にはさっそく、最初の3000万回分の輸入を開始したとみられています。つまり、アストラゼネカ製のコロナワクチンの日本における輸入はもう始まっており、日本はすでにアストラゼネカ製のコロナワクチンを入手しかけていると言えます。
新型コロナウイルスが蔓延してから兼ねてより、日本ではコロナワクチンの製造体制が遅れていると言われていました。したがって、今回のアストラゼネカ製のコロナワクチンの輸入は日本にとっては大変ありがたい話です。
しかし、だからといって、欧州で使用の一時中断が相次いでいるアストラゼネカ製のコロナワクチンを使うというのはあまりにもリスクがあると思います。通常、ワクチンの接種というものは副作用などのリスクは付き物ですし、接種する側も覚悟を決めないといけない所はあるでしょう。ところが、今回はすでにリスクが発現した事例が複数も見つかってしまいました。
このことをリスクは付き物と言う解釈で割り切っていいものか、怪しくなってきたように思えます。果たして日本は、アストラゼネカ製のコロナワクチンをどう処理するのでしょうか。ワクチンの改善は望めるのでしょうか。
こればかりは今後になってみないとわかりません。しかし、コロナワクチンの接種は任意ですので、最悪受けないという手もあります。もし、日本がアストラゼネカ製のワクチンの導入を見送った場合、日本におけるワクチンの普及率はどのように変化するのでしょうか。
日本のコロナワクチンの普及率はどうなる?
現在において日本政府がワクチン供給の契約を結んでいる海外の製薬会社は、ファイザー社(米)・モデルナ社(米)・アストラゼネカ社(英)の3社です。
そして、これらの会社からのコロナワクチンの入手予定量は、ファイザー社で6000万人分、モデルナ社で2500万人分、アストラゼネカ社で6000万人分です。
つまり、もしアストラゼネカ製のコロナワクチンの使用が見送られた場合、現在の普及予定率の約40%もなくなることになります。
この現状に対し、日本政府はどのように対応していくのでしょうか。他社のコロナワクチン輸入量を少しでも増やそうと努力するのか、それとも、アストラゼネカ社のコロナワクチンの改善が早急に行われるのか、この先のコロナワクチン供給の動向に注目ですね。
アストラゼネカ製のコロナワクチンが使えるという方針も
ここまでで危機感を持ってきたアストラゼネカ製のコロナワクチンですが、一方では(比較的)安全なので使用できるという見方もあるようです。
調査によると、10日時点で、欧州におけるアストラゼネカ製のコロナワクチンを接種した約500万人の内、血栓が確認されたのは30人だそうです。この数値に対し、欧州医薬品庁はこの原因を追究する一方で、「現時点ではリスクより接種して得られる効果の方が上回る」として、EU加盟国には規制は求めない方針でいるそうです。
また、イギリスやドイツ、インドはこのアストラゼネカ製のコロナワクチンを引き続き使用するそうです。
以上より、リスクよりも予防できる人数の方が多いとして、アストラゼネカ製のコロナワクチンを使うという方針も考えられます。そうなると、日本でもこのような方針をとることは十分に考えられますね。少し心配になってきました。
まとめ
今回は、アズトラゼネカ製のコロナワクチンに副作用が生じたということで、副作用の内容や今後の日本のワクチン事情の可能性に注目してきました。
日本は、ワクチンの調達が他の先進国に比べて遅れていました。したがって可能性としては、この事件の一方で、日本でもアストラゼネカ製のコロナワクチンを引き続き導入する可能性は十分にあると考えられます。
しかし、実際にどうなるかは後になってみないとわかりません。今後の日本のコロナワクチン事情の動向に注目ですね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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